EXPO 2025 大阪・関西万博に行ってきた話

さて先日は大阪万博に行ってきた。正式名称はEXPO 2025 大阪・関西万博。下馬評と打って変わって連日話題で持ちきりである。総じて満足度は高かった。人気パビリオンよく見れたし。
フランス館
建築:Coldefy+Carlo Ratti Associati
SNSホイホイなパビリオン。重松象平氏による空間と真鍋大度氏のインスタレーションが話題となっている。正直いうと東京都現代美術館のディオール展をみているものだから物足りなく感じてしまった。しかし積まれたモノグラムのトランクにはディスプレイ(とおそらくオーディオ)が組み込まれている。非常に見た目以上に音響でも魅せる展示空間であった。ロダンの彫刻が映えていた。





アメリカ館
建築:Trahan Architects
何を見せられているのかわからない、それくらい今現在のアメリカの方針と大きく異なっていた。フルブライト奨学金は停止しているし、宇宙開発も予算削減して、大学に対する研究開発費用はおろかコロンビア大学やハーバード大学への連邦助成金を打ち切るなどを行なっている。もはや半年前までのアメリカはこうだったと懐かしむような、決して未来を見せるようなものではなかった。




ウクライナブース
クリエイティブディレクター:Dymtro Liuyi
ウクライナブース予算が限られた中でとてもインタラクティブな展示をしていたのがウクライナだ。ブースは雑貨屋を模している。国旗色である青と黄色が目にも鮮やかな店内とそこに掲げられた看板はNot for sale。店内置かれた商品にはバーコードが付けられており、専用デバイスで読み取ると動画が流れる。戦時下に国民がどのような生活を強いられているのか、またロシアに対してどのように抵抗する中で文化を保っているのかをまざまざと示してくれる。インタラクティブな展示設計により観覧者の注意を惹きつける内容であり、小規模ながら完成度の高いものであった。



BBC Planet EarthⅢ Live in Concert(イギリス)
建築:伊東豊雄
最も感動したのがこのイベント。万博では日々いずれかの国にフィーチャーするナショナルデーという企画がある。訪問した日がちょうどイギリスであり、様々な催しを行なっていた。予約をして臨んだイベントだ。BBCが誇る自然ドキュメンタリー映像とともにオーケストラによる生演奏を楽しむというこの企画は日本初開催。自然の尊厳と美しさを伝えてくれるとても素晴らしいものだった。万博のイベント用会場であるシャインハットにて開催。



北欧館
建築:AMDL Circle(主宰ミケーレ・デ・ルッキ)
デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンにより共同で運営されている、北欧館。カフェが併設されており、そちらが人気を博していた。展示会場は5カ国の共通の社会通念や価値観などを見せるような形で、どうしても抽象的な展示で物足りなさもあった。しかし異なる国家が集っての共同運営ということと、不特定多数の人に伝えるエンタメ性も考慮するといい落とし所をついているのではないかと思う。インテリアのパートナーはBoConcept、Carl Hansen & Søn、HAYということでさすがである。

