Diary 25.05.06

先日 THE RAIL KICHEN CHIKUGOに初めて乗車した。西鉄が企画する、西鉄沿線を巡る食道車両だ。日頃の通常のコースとは異なり、今回は福岡店がオープンして10周年を迎えたDEAN & DELUCAとのアニバーサリーコラボ企画だそうだ。キャンセル待ちの人気であったが幸いキャンセルされた席が回ってきたのだ。
福岡市民には馴染みの深い西鉄。祖父母宅に行ったときや、初めて中学の友達と遠出をしたとき、陸上の遠征に向かった時。いつだってお世話になってきたし、これからも末長いおつきあいになるだろう。
集合時刻の頃合いを見計らって馴染みのホームに乗り入れたのは可愛らしいラッピング車両。乗り込むと細長い作りの小さなレストランであった。日頃のモケット生地のロングシートはどこにもない。
この空間のために扱えられた丁寧な家具にも目をつく。上品なデザインとと座り心地、そして省スペースを実現するために用意された特注の椅子は注目すべきだろう。本来左右につくアームレストが片側のみにしか着いていない。立ち上がるもしくは座る際に椅子を引く動作を行うが、それを最小限にするために横から滑り込むように座れるようにアームレストが片方あえて外されている。それもテーブルの位置ごとによって左右異なっている。またテーブルの縁は盛り上がっており、移動の振動でも食器が落ちないようになっていた。
この日のためにランチマットにはFukuoka 10th Anniversary DEAN & DELUCAと記され、この日だけの特別を演出してくれる。ウェルカムドリンクのDEAN&DELUCAにスパークリングに始まり、2時間半の列車旅の間に運ばれてくる品々はDEAN&DELUCA監修による九州産の食材を使用した彩豊かなコース料理だ。3両編成の2両目にはキッチンとオーブン2台が格納されている。温かな料理に舌鼓を打つ。
僕はこのツアーを経た後に思わず色んな人にオススメしたんだがそれは料理だけが理由ではない。西鉄電車の社員の皆さんのおもてなしだ。車掌による沿線の紹介の中には「いつもなら見えます〇〇の奥さんが手を振ってくれるのですが本日はお休みのため、私の祖母が駆けつけてくれました」というと本当に手を振った女性が全力で旗を振っているのだ。また電車は途中、花畑駅で止まり、ホームでフォトセッションを行う。その時にも社員の皆さんがまるで遊園地のキャストのように対応してくれる。最高の手弁当のおもてなしだ。身近な存在だからこそ微笑ましてくてつい笑顔がほころぶ。各駅の社員の皆さんが手を振って見送ってくれた。
車掌、そしてDEAN&DELUCA福岡の代表者の挨拶により旅はいよいよ終盤。長い旅もあっという間であった。帰りにはお土産としてアニバーサリーのエチケットデザインがされたオリーブオイルが手渡された。
日常の景色を眺めながら特別な料理をいただく。本当に不思議で充電されるような旅であった。









